日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2020年4月4日

登園自粛と保育料減免について

多くの声が寄せられています。

 コロナウイルスにより保育園からの登園自粛要請に応じた場合に保育料の減免を求める保護者の方々の声が。

 大前提として、昨年の消費税増税前、政府からよく聞こえた「幼保無償化」しかし、その対象は3歳~5歳児のみ、0歳~2歳児は保育料が発生します。

 そして東京23区(一部実施なし)をはじめ、相模原市や藤沢市はコロナウイルスによる対応で保育園から自粛を求められ、その要請に協力した場合、保育料を日割りで減免しています。

相模原市HPより

 一方で川崎市は登園自粛に協力した保護者の方々へ一切の減免を行なっていません。この対応に育休中の保護者の方を中心に多くの方から改善の要望が届きました。

 正直、私も含め前職時代は特に「自己責任論全盛期」の中で生き抜いている同世代の方々がここまで、メールやツイッターを介して私に声を寄せることに驚くと同時に、声を挙げずにいられない自体であることをしっかり受け止めなければなりません。

 寄せられた声の中で散見されるのが

「川崎市の保育料は高い」との声です。

 検証します。

①川崎市の保育料は高いのか?

 以下が本市の保育負担料金表です。

かなり見にくいですが…

 0歳~2歳児の保護者を抽出する過程で、最新の人口動態調査(2016年)によると、初産の出産年齢全国平均は30.7歳。本市の最新の就業構造基本調査(2019年2月発表)では、30~39歳の一般世帯(76.7千人)所得で割合が最も多いのは年収600~699万円(10.9千人)と500~599万円(10.3千人)の世帯です。

 保育料は市民税額で決まる為、おおよその計算になりますが、年収500万円の場合の市民税は約14.5万円、年収600万円では18.5万円、この額で基本保育料を他都市(主に政令市)と比較していきます。

川崎市 

  • 年収600万円⇒50000円
  • 年収500万円⇒37200円

横浜市

  • 年収600万円⇒44500円(川崎市より安い
  • 年収500万円⇒38000円(川崎市より高い)

大阪市

  • 年収600万円⇒45100円(川崎市より安い
  • 年収500万円⇒39400円(川崎市より高い)

相模原市(コロナ対応で保育料減免)

  • 年収600万円⇒40100円(川崎市より安い
  • 年収500万円⇒34900円(川崎市より安い

藤沢市(コロナ対応で保育料減免)

  • 年収600万円⇒43800円(川崎市より安い
  • 年収500万円⇒33100円(川崎市より安い

渋谷区(コロナ対応で保育料減免)

  • 年収600万円⇒12700円(川崎市より安い
  • 年収500万円⇒11800円(川崎市より安い

 渋谷区の桁違いに近い安さには驚きましたが、政令市等で比べてみても年収600万円については川崎市が最高額となりました。川崎市の保育料の特徴として追記しておきたいのは、川崎、横浜、相模原、神奈川県内3つの政令市で

市民税が均等割りのみの場合、

  • 横浜市  6700円
  • 相模原市 6300円
  • 川崎市  5300円

 本市が最も安くなっており、所得が低い方には僅かながら安く、上がるにつれ、おおよそ500万円辺りで逆転し他都市の保育料より高くなっていく(本市の保育料最高額82800円は全国で一番ではないでしょうか?)特徴があります。したがって世帯年収500万円以上の保護者(上記しましたが本市は30代で年収500~699万円の世帯が一番多い)からの保育料が高いという声はもっともな指摘ということになります。

②やらない理由

 個人、及び日本共産党川崎市議団の要望にも加えていただき、合計三度の減免の要請を行なっていますが、市側もやらない理由を並べてきます。

(1)自粛要請していない

「利用者負担額の日割りを計算するには、本市からの要請、同意が必要。保育所は原則開所する施設であること及び市内の感染状況を考慮し、本市から登園自粛を要請するものではないと判断している」とのこと。

 根拠として挙げられているのが、令和2年3月4日付の内閣府からの事務連絡です。

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09762.html

 現場はどうか?

 ある育休中の保護者から寄せられた声によると、3月当初の時点で保育園から自粛に協力して欲しいとの要請があり、協力に応じたものの、ご本人は出産間近で、遠方からご親族を呼んで(新幹線代負担)保育をしているとのこと。

 保育士さんからも少しお話を聞きましたが、保育園こそ子ども達の濃厚接触が避けられない環境であり、感染対策の考え方である密閉、密集、近距離での会話を少しでも防ぐため外で遊ぼうとしても本市には園庭がある保育園はほとんどなく、公園に行っても(そもそも本市、特に中原区には公園も少ない)休校中の小中学生が沢山いて、結局遊べずに引き返すこともあるとのこと。

 4月2日には東京新聞でこんな記事が…

 このような状況下、少人数保育といった少しでも感染リスクを抑える為、協力が可能な保護者へ保育園からの自粛要請は決して間違った判断ではありません。

 現場では、実際にこういった事態がおきているのに、市は保育園が勝手にやったことで要請したものではないということなのでしょうか、現場の状況を聞き取り、状況に応じた対応、自粛要請をした保育園を後押しするのが、本来、行政のあるべき姿ではないのでしょうか?

 他の方からの声は続きます。

 結局、保育園が開いているから仕事が休めない人がいる。小学校も休校が続くのであれば、保育園も休園するべきではないか?

 保育園の休園に関しては、最前線で働く医療関係者や公務員、また運送業や食料品売り場、ドラッグストア(業種によっては時間を短縮するなどして)等々この状況下でも働かなくてはならない方々がいる限り、子ども達を見てもらう施設は必要です。小学校は休校になりましたが、「子どもの居場所」を学校に設け、子ども達を先生達が見守っています。春休みは通常通りわくわくで対応していました。やはり、市から登園自粛要請をし、可能な方には協力して頂いて保育園の負担を軽減する、加えて以下も保護者の方から情報提供を頂きましたが、

 

 墨田区では事業者への協力も求める通知を出しています。最終決定権は事業者に委ねられますが、保護者が仕事が休める環境作りを地方自治体として後押しをする。できる範囲の自粛要請をして保育料減免の補填も同時に行なう。市民のくらしと安全を守る自治体として重要な姿勢と感じます。

(2)やっていると言っても近隣の政令市では相模原市だけ

 相模原市は駅、病院、福祉施設でクラスターが発生、相模原市と本市では状況が違うとのことです。先日岡部先生からもクラスターの注意喚起があったにも係わらず、クラスターが発生してからでないと方針を変えないということなのか、百歩譲ってもしそうであるならば、学校休校も地方自治体の判断に委ねられる方針なわけですから、学校の臨時休業を実施する根拠はどこから来るのでしょうか、それはお隣の東京の感染者が日々増え続け、2週続けての外出自粛が要請され、本市においても感染者は増加傾向、4月2日には本市でも初めて尊い命が犠牲になりました。この深刻になりつつある状況の変化が、本市が4月7日から再び休校を決断した根拠ではないのでしょうか。実際、4月2日に本市が発表した学校休校の報道発表資料には、

「隣接都市等における新型コロナウイルス感染症拡大の状況を踏まえ」

 との説明があります。

 感染拡大を防ぐことが目的であるならば「相模原市とは状況が違う」は理由になりません。そもそも保育園だけ川崎市として何の指針も示さないのはおかしな話です。保護者から要望があり、市に要請していたコロナウイルスに係わる保育所の対応(登園についての注意点)についてようやく4月3日にHP上に記載されましたが、残念ながら遅すぎます。

http://www.city.kawasaki.jp/450/page/0000116506.html

(3)財源論?

 もしこの議論に立ち入るならば、冒頭で「そもそも保育料が高い」と訴える保護者の方々は納得しないでしょうし、そもそもこの状況下、何より暮らし命を守るのが地方自治の責務であり、財源論を持ち出すのはナンセンスです。ちなみに、書面での回答ではないので正式なものではありませんが、2割の方が登園自粛した場合、約1000万円の本市負担費用が発生するとのことです。

③最後に

 以上、子ども達、その家族、保育園関係者を守る観点から濃厚接触を避けられない保育園において、少しでも感染リスクを下げる目的で可能な方には登園自粛を市として要請し、要請するのであればもちろん補償、登園自粛に協力した保護者へ日割りの保育料減免を求める保護者の方々からの要望に賛同いたします。

 現時点では、三度の要望も実現には至っておらず申し訳ありません。担当局も各区から、時には直接電話で多くの保護者から要望を伺っているようで、三回に渡り上に申請したものの、判断に変更がなく「真摯に協議して頂いているようですが申し訳ありません」と仰っていました。

 つまり、残るは

 市長の政策判断です。

 ひょっとすると今まで政治(市政)に対し声を挙げることもなかった、私と同様「自己責任論全盛世代」が、子ども、家族を守る為「やっぱりおかしい」と挙げられた声の数々。今まで経験したことのない未曾有の事態だからこそ、杓子定規な判断だけでなく、柔軟、かつスピード感を持った対応が、他都市の動向を伺うばかりでなく、現場の声に寄り添う姿勢が、川崎市に求められているのではないでしょうか。

 引き続き。


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