日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2020年12月16日

一般質問③ 保育士等の処遇改善について

※正式な議事録ではありません。

質問①

 保育士等の処遇改善についてこども未来局長に伺います。

 我が党が強く要望していた、保育士等の処遇改善Ⅱにおける、経験7年目以上の職員への2万円保障について、横浜市同様の4万円保障に引き上げる見直しが今年度から本市でも実現しました。

川崎市:令和2年度予算案について (city.kawasaki.jp)

 この制度は、経験年数7年目以上、副主任保育士、職務分野別リーダーという国の要件に加えて、対象とならない7年目以上の方にも、国の補助金に市が加配する形で4万円が配分できるように支給する、

処遇改善加算等の令和2年度改正点2-1.pdf (city.kawasaki.jp)

 横浜市同様のスキームで実現したものですが、もう12月も半ばというところで、未だに支給が行われていないという声をお聞きしました。処遇改善Ⅱは新たに創設された制度ではありません。なぜ、これほどまで遅れてしまっているのか、伺います。

答弁①

 保育士等の処遇改善についての御質問でございますが、

 処遇改善等加算Ⅱにつきましては、保育所等の賃金改善計画に基づいて適切に実施される必要があることから、国の通知に基づき、市が事前に賃金改善計画の確認を行っているところでございます。今年度は、国からの同加算に関する取扱いの変更の通知の発出が遅れたこと、また、通知の内容に関し、自治体から疑義がある項目についての国の見解が示されていないことから、昨年度に比べて保育所等への案内が遅れているところでございます。

 なお、同加算の実績がある保育所等におきましては、昨年度の認定状況を暫定値として、公定価格分を毎月の給付費において、既に支払いを行っているところでございます。

質問②

 国の基準に基づく公定価格分の支払いは暫定値で給付しているとのことですが、今年度実現した処遇改善加算Ⅱの本市加算分に関しては、国の通知が遅れ、及び未だ見解が示されていないことが原因で遅れているというご答弁ですので、急ぎ国に確認し、早急に手続きを進めていただければと思いますが、市から各保育所へ一括支給されてから各保育所がそれぞれの職員の方々へ配分されるわけですから、忙しい年末、残された僅かな日数の中での施設側の手続きを鑑みますと、年内の保育士さんへの支給は厳しい状況です。そうなりますと、今年度分の加算は来年の収入になるわけですが、来年は来年度分の加算も更に上乗せされることになります。そこでお聞きしますが、本年度の新たな処遇改善対象者となる、すでに7年以上の実務経験がある方で市加算配分が月2万円から4万円保障になる方、また本年度7年目の実務経験となる方で処遇改善が月5千円から4万円保障になる方、それぞれ最大で、今年と来年、どれぐらいの収入差となるのか伺います。

答弁②

 職員の収入の差についての御質問でございますが、今年度から市加算の配分額が、2万円から4万円となる見込みの職員については、 4月から12月分までの配分額が、 1月以降の支払いとなってしまった場合は、最大で42万円の差が生じることとなります。また、今年度から同加算の配分額が、 5千円から4万円となる見込みの職員については、 4月から12月分までの配分額が、1月以降の支払いとなってしまった場合は、最大で73万5千円の差が生じることとなります。

質問③

 これは、今年が来年にズレただけで総支給額は変わらない。ということで済む話ではないと思います。最大で73.5万円の収入差が発生することになりますと、大きく影響を受けるのが市県民税、いわゆる住民税です。厚労省の令和元年賃金基本統計調査では、保育士の平均年収、36.7歳で363万4600円。

令和元年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 これをベースに神奈川県民税、川崎市民税、均等割、所得割を考慮して概算で計算しますと、年間で55800円、月で4650円の差となり、今年の収入に加算金が反映されない来年度の住民税は低く、加算金2年分上乗せされた再来年度に住民税が月5000円近く跳ね上がる、つまり加算金がまとめて入った年は住民税が低く、加算金が通常通りに戻った年には大きく跳ね上がるという、住民税の乱高下がおきてしまいます。この住民税のアンバランスな徴収について、ある保育士さんからは「ただでさえ給料の低い保育士は大変になる」という不安な声が届いています。

 事前のやりとりでは、通知があった8月の時点で

施設型給付費等に係る処遇改善等加算Ⅰ及び処遇改善等加算Ⅱについて (cao.go.jp)

 本市から国に、疑義がある項目について問い合わせをしているものの、回答がないとのことですから、国の怠慢、責任ももちろん否定はしませんが、横浜市の状況を調査したところ、横浜市も本市同様に手続きは間に合わないものの、実績のある保育施設には暫定的に横浜市独自の市加算分である処遇改善Ⅱにおける4万円保障分を前倒しで支給したとのことです。本市も実績のある保育所に、せめて昨年の実績ベースで市加算分の暫定的な支給を実施したのでしょうか伺います。

答弁3

 暫定的な給付についての御質問でございますが、市処遇改善等加算Ⅱは、対象となる職員を特定し、確実に給与に反映させる必要があるため、事前に賃金改善計画や公定価格分の認定状況を確認し、職員への分配額を精査したうえで、給付する必要があると考えております。したがいまして、再度、疑義がある項目について、国に対して見解を求めるとともに他都市と情報共有しながら、速やかに保育所等へ案内し、職員への支払いが行えるよう準備を進めてまいります。

要望

 保育士等の処遇改善の通知を発出した内閣府に確認したところ、処遇改善Ⅱで今年変更が行われたのは、保育所側の加算額の配分方法の緩和という部分であり、国からの補助額の変更はないとのことでした。資料を見る限り、市の処遇改善加算Ⅱ加算部分の要件はいたって明確です。園長以外で職歴が7年以上か否か。

 たったこれだけです。国の対象要件も、補助金額も変更がなかったわけですから、充分実績ベースで支給できたのではないでしょうか。だからこそ、横浜市は手続き完了の前に、前倒しで、暫定で市加算分も支給を実施したと考えます。

 手続きを重視する方針は一定理解します。しかし、今年はどのような年だったか、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、学校が臨時休業中も開園し、濃厚接触が避けられない環境でも懸命に、現在も本市の保育事業を担って頂いているわけです。

 先の9月議会で我が党は、市独自で慰労金の支給を求めたのに対し、「感謝申し上げる」という答弁にとどまり、実現に至っていません。慰労金も支給せず、今年度、約6億円の予算を計上し、やると決めた待遇改善も国待ちで実施せぬまま。いつになっても支給されない保育士の方からは「結局、現場の保育士は後回しですね」という声も聞こえてくる状況です。保育士の方々への配慮に欠けると言わざるを得ません。

 今年7月に川崎市保育問題交流会が発表した川崎市保育労働実態調査の中で自由回答欄に寄せられた声が記載されています。そこに記された167名の自由回答欄のうち74名、44%にあたる保育職員の方から、まず待遇改善、とにかく給料を上げて欲しい。という切実な声が寄せられており、その調査は「保育職員の労働がよりハードになり、処遇改善が実態に追い付いていない」と分析しています。

川崎市保育問題交流会・関東学院大学経営学部中西新太郎研究室共同調査 『保育の「質」及び保育労働者の就労環境の向上をめざして―川崎の保育労働に関する実態調査報告―』発表しました(弁護士 川岸卓哉) | 川崎合同法律事務所のトピックスをご紹介します (kawagou.org)

 今後も更なる様々な処遇改善を要望させていただきますが、その処遇改善が前進した際には、できることは迅速にやる、保育職員の皆様の負担を少しでも軽減する、現場の実態、感覚に寄り添った市の姿勢を強く要望させていただき、最後の質問へ移ります。

あとがき

 質問終了後、事情を確認していた内閣府から連絡があり、川崎市や横浜市からの疑義の項目についての問い合わせに、未だ返答ができていない旨の報告を頂きました。私の方からも、速やかな政令市への返答を求めさせて頂きました。


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