日本共産党
川崎市議会議員(中原区)

市古次郎

ブログ
2021年4月25日

停滞する検査拡充

 大阪での感染爆発、25日からは4都道府県で3度目の緊急事態宣言が発令される中、本市でも感染者数は増加傾向。4月25日現在、第一波、第二波のピーク時を遥かに凌ぎ、12月中旬頃の第三波ピーク直前の1日あたりの新規陽性者数となっています。

 第三波が少し落ち着いた2月中頃、医療関係者の方からは

「発熱外来に来る人は減ったが、1日に必ず陽性者は出る。陽性率は変わっていない。ワクチンもいつになるか不透明であり、今が本当に大切な時期」

 といったお話をお聞きしました。全く同感で、保健所に少し余力があるときにこそ、感染拡大の早期探知、陽性者確認時には追跡調査、及び積極的なPCR検査を行い、感染拡大を抑え込む重要な時期であったと考えます。

 しかし、なぜ検査数が増えないのか?といったご意見も複数、頂戴します。はたして実際の検査数はどうなのか?国(厚労省)、及び神奈川県が発表しているPCR検査数の推移を以下、添付いたします。
 

厚労省発表の全国のPCR検査数

 全国の検査数を見ると、民間検査会社や医療機関が検査数を押し上げている様子で、第三波のピーク時よりも多く検査を行っている日も散見されます。広島県や世田谷区等、独自で積極的に検査に取組んいる自治体もある為、一概には言えませんが、第3波以前よりもやや増加傾向と言えるのではないかと思います。

神奈川県発表のPCR検査数

 一方の神奈川県は、第三波のピーク直前の検査数で推移しており、大幅な増加とは言い切れませんが、陽性者の割合に対しての検査数ということを鑑みれば、増加傾向であると言えるかもしれません。本市の検査数の推移状況について、国や県のようにグラフデーターはないとのことですが(現在資料請求中です。ここでご紹介することができず申し訳ありません)、

 参考までに市の直近のモニタリングデータでの陽性率は…10.68%となっています。

新たな取り組み

 国、県の検査数はまだまだ不十分ですが、増加、若しくは微増傾向であると見て取れます。その背景の一つに、2月22日から国(内閣府)主導で行なっているモニタリング検査があります。その目的は…

 緊急事態宣言が解除された地域等での感染再拡大を早期に探知するよう、繁華街等において幅広くPCR検査を行って感染状況をモニタリングするとともに、そのデータを分析して感染拡大の予兆を早期に探知し、早期の対応につなげていくこととしています(以下このために行う検査のことを「モニタリング検査」といいます。)。(内閣府HPより)

 としており、目的については賛同できるものです。

感染拡大の予兆の早期探知のためのモニタリング検査|内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室 (corona.go.jp)

 次に県。こちらも検査数増加傾向を支える背景には、高齢者施設・障がい者支援施設における従事者へのPCR検査、いわゆる集中検査の実施があります。国が策定した施策ですが、神奈川県も指定地域とされ、県主導で行なわれている事業です。食事、入浴支援等、介護内容によってはマスクを外して対応する環境、及び高齢者の重症化リスクを鑑みれば、こちらも重要な施策です。

 石田和子県会議員のブログによると、

 延べ人数152,763人の検査を実施し、27人の陽性者が確認できたとのこと。

 県が実施したアンケートでは89%が本事業を継続したいという回答があったとのこと。

一斉・定期的検査における誤通知とPCR検査結果が報告されました | ブログ | 石田 和子(いしだ かずこ)日本共産党神奈川県議会議員 | くらしと平和 希望ある未来へ (ishida-kazuko.jp)

高齢者施設・障がい者支援施設における従事者へのPCR検査の実施について – 神奈川県ホームページ (pref.kanagawa.jp)

 国のモニタリング検査、県の高齢者施設等への集中検査、第三波が収束したものの、感染がくすぶっている重要な時期だからこそ、積極的に進めていくべき感染拡大防止策の柱の一つとなる施策のはずだったのですが…

 まず、県主導で行なっている集中検査について、4月16日に県の健康医療局に確認すると、

「2月22日から3月末まで3回までの検査を行なった。4月以降の方針については現在協議中。」

 現在、協議中…

 ※4月24日現在、未だ神奈川県のHPには新たなスケジュールは示されていません。

 4月に入り感染が拡大している中、協議中? つまり約1ヶ月間、この取組が止まっていることになります。コロナに年度などありません。感染状況は拡大傾向なわけですから、協議など挟まず、切れ目ない感染防止対策、集中検査を実施するべきではなかったのでしょうか?

 次に本市でのモニタリング検査実施状況を(4月19日)市側に確認すると…

「3月中頃に県経由で確認があり対応したが、その後、音沙汰がありません」

 音沙汰なし?

 すぐに内閣府へ確認。

「川崎市ですか? 現在、モニタリング検査委託事業者が協力事業者と施設提供の準備など、調整中です」

 調整中?

 内閣府の資料では、3月18日から神奈川県で検査を開始と記載があるのに、ほぼ1ヶ月経過して、いまだ川崎市内での実施は調整中?

 モニタリング検査、及び集中検査は私達も要望してきたことです。その方針、対応については評価させて頂きたいと思います。

 しかし、感染再拡大防止対策の一環として行政側がやると決めたことです。感染が拡大する中、やれることは全てやる重要な時期だったにも関わらず、その枠組みも構築していたにも関わらず、約1ヶ月を要しての協議、調整とは余りにもスピード感、緊張感がなさすぎるのではないでしょうか。

 さて川崎市(本題)です。まず高齢者施設等の集中検査について、国の資料を見ますと、

【資料6①】高齢者施設検査計画 (mhlw.go.jp)

 県と平行して千葉市、名古屋市、京都市、大阪市、北九州市等(検査費用は国と自治体の折半)の政令市も実施(大阪市は4月12日時点で4月以降の継続実施を発表)。神戸市は昨年11月から独自で実施しているなか…

 本市は「神奈川県が進めている」と県に丸投げ状態。

 結果、1ヶ月の空白期間ができてしまうことに。この間、市内の高齢者施設では複数のクラスターが発生しています。

 何もしていないのか? 行なったことと云えば…市内PCR集合検査場の休止(実は4月中頃、市とのやりとりの中で明らかになりました)。

川崎市:PCR集合検査場について (city.kawasaki.jp)

 この検査場は、市内医師会に委託してPCR検査を実施する事業で、かかりつけ医を受診し、検査が必要と判断された方を集合検査場に案内し、市内診療所の医師が検査を行なっていたもの。

 休止の理由として、民間医療機関等での検査対応数が増えたことにより、第三波収束のあたりから検査場での受検者が減ってきたことから、医師の負担軽減を考慮した上で休止の判断に至ったとのこと。現在、感染増加傾向の中でGWに多くの医療機関が休みになることを踏まえ、3カ所のうち1カ所は再開する準備を進めているとのこと。

 医師の負担軽減、また受検者が少ないという現状で、貴重な先生方の技術を無駄にしてしまうことを考えれば、確かにもっともな理由ともとれます。

 しかし、

 どこまでも消極的…3月5日、本市は感染再拡大防止のための対策として、以下のことを発表しています。

 ➀Ⅱ.「市による変異株の早期発見確認体制の整備」は試薬の入荷遅れで3月最終週までズレ込みました。②Ⅱ.「高齢者施設等の従事者に対する検査」は、あたかも市がやっているように映りますが、ここでご紹介したように県に丸投げです。

 また➀リバウンドの兆候の早期探知と掲げながら、Ⅰ.「会食等を起因とする感染動向の確認」では、あくまでも感染者が出た後の追跡調査です。それだけでは全く不十分です。つまり、大々的に方針を示していますが、実効性が乏しい内容になってしまっています。

 例えば、もし集合検査場に第3波終わり頃から余力があったのであれば、広島県や世田谷区が行なっているように、いつでも誰でも受けられる検査場として開設することは考慮しなかったのか、受検者が減ったから休止、増えてきたから開設では、いつも通りの、この1年間変わらずやってきた後手後手の対策のままで、感染拡大を抑え込むことはできません。

 もちろん医師会や民間医療・検査機関との協力は必要不可欠です。墨田区や世田谷区の報道を見ていると、医師会や医療機関等と行政が協議を重ね、理解を深め、協力しながら行政が率先して積極的な検査拡充方針へ導いていると感じます。

 本市の方針は…病床や宿泊療養施設の確保も、この間の新たな取り組、モニタリング検査も高齢者施設等への集中検査も全て国、県におまかせ、あとは自粛のお願い。という方針なのでしょうか。国や県がこの1年間、的確で十分な対策を打ち出し続けてきたのであればそれでいいのかもしれませんが、残念ながらそうでないからこそ、自治体によっては独自の方針を打ち出し、懸命に感染拡大防止対策に取組んでいるのではなでしょうか。

 第4波が確実に迫ってきているこの状況下、病床数、検査数、市内事業者や民間医療機関への支援等々、諸々ありますが、

 本市に圧倒的に不足しているのは、イニシアチブです。

 国や県いいなりの市政ではなく、市民の命、くらしを守る市政を引き続き求めて参ります。

 

 

 

 

 


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