日本共産党
川崎市議会議員

市古次郎

ブログ
2019年11月20日

鳥取視察

11月18日、鳥取県へ、日帰り視察へ行ってまいりました。お題は

災害ケースマネジメントについて

 私にとって初めての鳥取県でしたが、鳥取空港ではいきなりコナン君がお出迎え?なんでもコナンの作者、青山先生は鳥取県出身だとか…ルパン世代で勉強不足ですいません。

 すぐさまバスに飛び乗り空港近くの鳥取砂丘を横目で見ながら、いざ、鳥取県庁で鳥取県が実施している災害ケースマネジメントのレクチャーへ。

 ※以下鳥取県提供資料より抜粋

 2017年10月21日14:07分鳥取県中部を震源にマグニチュード6.6、最大震度6弱の大地震が発生。

  • 人的被害 重傷8人 軽傷17人
  • 住家被害 15,408棟(全壊18棟、半壊312棟、一部損壊15,078棟)
  1. そこで鳥取県は2000年に発生した鳥取県西部地震を契機に県独自に創設した被災者住宅再建支援制度を瓦の損壊など被災規模の小さな住宅についても対応できるよう、県と市町村が同額基金に拠出する形で以下の内容で拡充。
  • 一部損壊(損害判定基準10%以上20%未満)の住宅に対し、最大30万円を支援
  • 半壊(損害判定基準20%以上40%未満)の住宅の建設又は購入に対し、最大100万円を支援
黄色、赤字の部分が鳥取県と市町村が独自で拡充

2.新たに被災者住宅修繕支援金により、被災規模の小さい住宅(損害判定基準10%以下)の修繕も1万円~5万円で支援⇒現行一律2万円(この他、市町村独自支給で上乗せあり)

 しかし、震災から1年半が経過しても住宅再建、修繕支援制度に対して約900件が未申請のまま。ビニールシートで屋根を覆ったままのお家が散見される状況が続いていたとのこと、そこで…着目されたのが災害ケースマネジメント。

災害ケースマネジメントとは…

 もともと2005年にアメリカで発生したハリケーンカトリーナにより大きなダメージを受けたニューオリンズなどの被災者に、雇用の場を与え生活を再建していくために取り組まれたもの。

 日本では東日本大震災の復興にあたり仙台市が、この考え方をベースに、個別支援計画を作成し、必要に応じ弁護士などの専門家にも相談しながら伴走型で支援を行なう方法で、仮設住宅入居者の早期解消に成果を上げた。

 2018年1月15日、鳥取県のご当地新聞、日本海新聞にて仙台市の取組などが紹介記事として掲載されたことをきっかけに検討を開始。1月18日素案を提示、2月3日合意、2月県議会で可決(凄いスピード感…)

  1. 未申請だった約900件に支援制度の再周知と申請をお勧めするDM発送
  2. それでも未申請の481世帯に対する実態調査の実施(訪問や目視による家屋調査)
  3. ケース会議を適時開催
  4. 生活復興支援チーム(建築士、弁護士等の専門家)による相談と対応
  5. 現時点で113世帯を「生活復興支援」対象家庭として確認。

①生活復興支援チーム(専門家等)の構成

  • ファイナンシャルプランナー
  • 弁護士
  • 宅地建物取引業協会相談員
  • 病院職員
  • 建築技師(県職員)
  • 障害者支援専門員(県職員)
  • ケースワーカー(社会福祉協議会職員)
  • 専門ボランティア(復興支援隊「縁」(えにし)/屋根、家屋修繕の専門ボランティアグループ)
  • 建築業、工務店関係者

②生活復興支援チームの派遣数116件

制度導入の効果

○支援制度申請の早期完了(19年2月)

○被災者のニーズへのきめ細かな対応⇒より安価な方法での修繕実施、適切な福祉サービスの提供(生活保護、介護予防など)

○地域課題としての認識醸成⇒一部地域ではボランティアの修繕活動に地域が協力

○関係機関との連携確保⇒弁護士会、ファイナンシャルプランナー協会、宅建協会との相談道筋構築

 しっかり制度の仕組みを学ばせて頂き、鳥取県庁の食堂で玉子ラーメン半チャーハンセットを美味しく頂き(美味しすぎて夢中で食べ過ぎて写真忘れました…)、市谷県議とも懇談させて頂き、

午後は実際の支援現場、震災復興活動支援センターへ

 実際の被災者の声として

「地震以来、雨漏りがひどいけど誰に相談したらいいかわからない」

「心配事が多くて…ここ最近、体調も気分もすぐれない」

「屋根の修理見積もりを取ったら250万円と言われて途方にくれている…」

「震災前からお金に困っていたが、状況が悪化している…」

「息子や親戚とも疎遠で頼れる人がいない…」

などの切実な声に対し、

「災害ケースマネジメント」手法の流れ

  1. 訪問活動(聞き取り調査) ※体制は県の職員、センターの職員、役場の職員、民生委員の方等で2~3名で実施
  2. 「生活復興支援対象世帯りリスト」の作成
  3. ケース検討会議の実施
  4. 「生活復興プラン」の作成
  5. 「生活復興支援チーム」の派遣

  ご相談に対応できた方のコメント

「地震から数年、我慢して来た。助けてもらって、本当にありがたい!つないでくれた役場の人にも感謝」70代男性

「以前は雨の音が不安で眠れなかったけれど、ようやく安心して眠れます」80代女性

「暑い中、何度も訪ねてくれてありがとう!秋になったら柿を食べにきないな!」70代男性

などなど多くの喜びの声を聞くことができたとか。

一方で課題も…

  • ご本人と会えない
  • ご近所でも把握していない(関係が希薄)
  • お困りの状況が確認できない
  • 「最終的なゴール」の設定が難しい
  • 「手詰まり」になる事への不安感

などなど。しかし例えば「見えにくい」被災者の状況については、市町村の担当課「防災(復興)」と「福祉」部局間の連携、行政と地域(自治会や民生委員等)の連携と役割認識の再構築等、課題に対する今後の対策も協議しながら、

行政と民間、あらゆる垣根を越え総力をあげて取り組んでいる被災者支援を勉強させていただきました。

 そして鳥取県は「鳥取県防災及び危機管理に関する基本条例」の一部を改正(2018年4月1日施行)し、条文に個々の被災者生活に関わる課題に総合的に対応する体制を構築し生活の復興支援を行なうとして、この災害ケースマネジメントを恒久的な制度として取り組んでいくことを決定しています。

「被災された方を誰1人孤立させない」

県の職員の方が仰っていた言葉がとても印象的でした。

 一方で川崎、中原区では19日夜に上丸子小学校で1回目の山王地域を対象にした台風19号に関する住民説明会が開かれ…

上丸子小学校体育館は満席

 住民の皆様からは時間ギリギリまで沢山の声が寄せられていました。

 こちら川崎は台風19号からまだ1ヶ月と約1週間。求められる原因究明、再発防止、そして復興に向けた取組は始まったばかりです。

地震と水害、違いはあれど鳥取県のような様々な課題を抱える被災者、1人1人に寄り添った支援体制の様子、スピード感をもち、かつ一時的ではない、恒久的な制度とするための条例改正、毎年様々な自然災害に見舞われるこの国にとって、非常に重要な取り組みであると認識いたしました。

 お忙しい中、鳥取県関係者の皆様のご対応に感謝。

引き続き。


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